・想定よりもボーナス(賞与)が少なくてショックです
・ボーナスカットがあり、転職するか悩んでます
このようなお悩み・疑問にお答えします。
この記事で分かること
- ボーナスが変動する要因・ボーナスが高い企業の特徴
- ボーナスが少ない、またはボーナスが出ない企業で働くメリット・デメリット
- ボーナスに関する不満の対処法4選
- すぐに転職した方がよい3つのサイン
この記事を読み終えることで、なぜボーナスが高い企業と低い企業があるのか?、ボーナスに不満がある場合の対処法などを理解できます。
あなたの勤務先の状況によっては、すぐに転職をした方が良いパターンもあるため、ボーナスに不満を抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
ボーナスの支給は企業次第
ボーナス(賞与)って聞くと、ワクワクしますよね。年末や夏の時期になると、社員のみなさんが楽しみにしているあの「特別なお金」です。
そのため、ボーナスが想定したよりも少なかったり、減額されてしまったり、そもそも支払われなかったりすると、モチベーションが下がってしまう人も多いのではないでしょうか?
でも、ボーナスって一体何なのか、どうしてもらえるのか、なぜ金額が変動するのか、ちゃんと知っていますか?
ボーナスの仕組み
ボーナス(賞与)は、通常の給料とは別に、企業が従業員に対して業績や利益に応じて支給する報酬です。ただし、法律でボーナスを支払う義務は定められていないので、企業はボーナスを誰にいくら出すのか、自由に決定できます。
そのため、仮にボーナスを支給しなくても法的には問題がありません。
※ ただし、労働契約書や就業規則などに賞与の支給条件などが記載されていた場合には、支払う義務が生じます。
一方、労働基準法第24条により、賃金(給与)は毎月1回以上決まった日に支払う義務があると決められており、ボーナス(賞与)とは大きく異なります。
賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。
労働基準法 第三章 賃金 (賃金の支払) 第二十四条
では、なぜボーナスを出す企業が存在するのでしょうか?これにはいくつか理由があります。
社員のモチベーションアップを図るため
ボーナスは、会社が利益を上げることができた場合、その利益の一部を社員に還元する形で支給されるため、会社の利益に貢献した社員のモチベーションアップに繋がります。
言い換えると、ボーナスはアメとムチのような役割を果たしてくれるため、企業は業績に応じたボーナスを支給する仕組みを導入するメリットがあります。
人材の確保・引き留めのため
転職があたり前になりつつある中、以前にも増して、会社の利益に貢献してくれる社員が競合他社へ引き抜かれてしまうリスクも高まっています。
そのため、優秀な人材にはボーナスをしっかりと払うことで、引き留められるメリットがあります。
ボーナスは企業業績の影響が大きい
ボーナス(賞与)は、利益を社員へ一部還元する形で支給されるため、そもそも業績が悪いと支給される金額が少なくなったり、そもそも支給されなかったりするリスクがあります。
そのため、たまたま会社の業績が悪いタイミングでボーナスが減額されたという理由で、会社に見切りをつけるのは避けた方がよいと言えます。
ただし、利益が上がっているにも関わらず、ボーナスが減っている場合には注意が必要です!すぐに転職した方が良い場合もあります。
大企業は小規模企業(スタートアップなど)よりもボーナスが出やすい
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、企業規模が大きい会社ほどボーナス(賞与)を支給する割合が高いです。
また、企業規模に関係なく8割以上の企業がボーナスを支給しているため、大多数の企業はボーナスが出ていると言えます。
【令和5年における夏の賞与の支給状況】
・5,000人以上:97.7%
・1,000人~4,999人:95.1%
・300~999人:91.3%
・100~299人:83.6%
※ 支給した又は支給する(額決定)の企業の割合
厚生労働省 毎月勤労統計調査
さらに、企業規模別の支給金額をみると、企業規模が大きい方がボーナス(賞与)の支給金額が高いです。
いわゆる、小規模企業(スタートアップなど)にあたる5~29人の企業は、平均27万1429円であるのに対して、大企業にあたる1,000人以上の企業の平均は78万9493円と、約3倍の差があります。
【令和5年における夏季賞与の支給額】
・1,000人以上:78万9493円
・500~999人:55万278円
・100~499人:45万5878円
・30~99人:34万8192円
・5~29人:27万1429円
※ 支給労働者1人平均支給額(調査産業計)
厚生労働省 毎月勤労統計調査
新たなアイデアを事業化し、将来的な投資が先行するスタートアップ企業と比較して、大企業の方がビジネスモデルが確立しており、安定的な事業基盤から利益が得られるため、ボーナス(賞与)が高くなります。
もちろん、スタートアップ企業で働く醍醐味として、保有する自社株式の上場(IPO)を目指すと高いリターンを期待できることも挙げられます。
安定的にボーナスを受け取りたいという人は、大企業への就職が有力な選択肢ですね。
ボーナスは利益を生み出しやすい業界の方が高い傾向
大企業の方がボーナスが高い傾向がありますが、実は業界によってもボーナスの支給額は異なります。
令和5年、夏季賞与の支給額の上位・下位のそれぞれ5つをピックアップしてみると「電気・ガス・熱供給等」「情報通信業」「学術研究等」の支給額が多いことが確認できますね。
いずれも社会的なインフラの役割を果たしており、安定的に利益を生み出しやすく、景気動向の影響を受けにくい業種であることから、高いボーナスが期待できます。
【令和5年夏季賞与の支給状況(事業所規模5人以上)】
産業名 | 支給額 |
---|---|
電気・ガス・熱供給等 | 74万5209円 |
情報通信業 | 70万8645円 |
学術研究等 | 69万847円 |
金融業、保険業 | 66万7956円 |
不動産業、物品賃貸業 | 65万6400円 |
・・・ | ・・・ |
卸売業、小売業 | 35万8409円 |
医療、福祉 | 27万804円 |
その他のサービス業 | 23万8013円 |
生活関連サービス業等 | 18万6583円 |
飲食サービス業等 | 5万9978円 |
一方、「飲食サービス業等」をはじめとしたサービス業は、ビジネスモデルが薄利多売のため、安定的に高い収益を生み出しにくく、ボーナスが低い傾向があります。
このように働く業界によってボーナスの金額は大きく変わるため、仕事のやりがいとバランスを取りながら、キャリアを検討する必要があります。
ボーナスが少ない、または出ない主な4つの原因
会社の業績が悪くボーナスを支払う余裕がない
ボーナスは企業が生み出した利益から支払われるため、経済動向などの外部環境の影響を受けて、業績が悪化し、会社の資金がなくなるとボーナスを支払う余裕がなくなるのは自明ですよね。
そうは言っても、急にボーナスが減ったり、カットされたりすると社員のモチベーション低下や退職に繋がり、さらに業績が悪化するという負のスパイラルに陥るリスクがあります。
そのため、業績改善の見込みがなさそうな場合、早めに転職活動をはじめた方がよいと言えます。
利益率の低いビジネスを展開している
薄利多売のような利益率が低いビジネスを展開する企業の場合、ボーナスの原資となる利益が少なくなります。
さらに、物価上昇による仕入れコストの高まりなどの事業環境の変化によって、さらに利益が圧迫されてしまうと、十分なボーナスの支払いが難しくなります。
あなたが働く会社のビジネスモデルを変えることは容易ではないため、どうしても安定したボーナスが欲しいという場合は、安定的に利益を生み出しやすい業種へ転職した方が良いでしょう。
設備や研究開発への投資を優先している
会社が事業拡大をするために設備投資や研究開発にお金を使う場合、一時的にボーナスが抑えられることがあります。
そのような場合、将来的にさらに利益が増加し、それに伴い給与やボーナスが増える可能性もあります。
ただし、株主への利益還元を重視して、社員の給与やボーナスへ還元する意識が薄い経営陣の可能性もあるため、注視しながらキャリアプランを考えた方が良いと言えます。
人件費削減を目的に社員への還元が少ない
会社の利益がある程度出ており、積極的に設備投資や研究開発を行っていないにも関わらず、ボーナスが支給されない場合、人件費を抑制しようとしている可能性があります。
その場合、あなたがどんなに業績を上げて利益に貢献しても、昇給やボーナスという形で還元される可能性は低いため、モチベーションが続かない可能性があります。
仕事のやりがいを重視するので金銭面は気にしない!という人もいるかもしれませんが、会社全体の士気も下がり、今後の業績が悪化するリスクもあるため、転職活動も視野に入れた方が良いかもしれません。
ボーナスが少ない、またはボーナスが出ない企業で働くメリット・デメリット
メリット①:月給が高めに設定されており、短期的には業績の影響を受けにくい
ボーナスが少ない、または出ない企業の中でも年棒制を採用している企業は、ボーナスが出る企業と比べて毎月の給料が高く設定されている可能性があります。
年俸制とは、給与の金額(年棒)を1年単位で決定し、分割して支給する給与形態を指します。
そのため、仮に会社の業績が悪化したり、仕事で成果を出すことができなくても、年間の給与の金額が減らされることはありません。
ただし、会社の業績悪化や個人の業績評価の影響は、翌年の年俸に影響する可能性がある点に注意しましょう。
メリット②:いつでも転職できる
ボーナスが少ない、または出ない企業から転職する場合、ボーナスが支給されるタイミングを気にせずに転職できるメリットがあります。
年に数回しか支給されないボーナスが受け取れないとトータルの年収が下がってしまうため、転職を躊躇してしまうことが想定されますが、そのような懸念がない点はメリットと言えます。
デメリット①:仕事のモチベーションを維持しにくい
頑張った分だけボーナスが貰える!という気持ちは、仕事のモチベーションを維持する上で重要です。
どんなに仕事で頑張って会社の利益に貢献したとしても、わずかなボーナスしか貰えなかったり、そもそもボーナスが貰えないのは誰でも納得がいかないですよね。
モチベーションの低下に加えて、会社への不信感も高まるため、徐々に転職をしたいという考えが生じる可能性も高いです。
デメリット②:貯金や投資ができない
ボーナスが少ない、または出ない企業は利益率が低い傾向があるため、月給も低いケースも想定されます。
その場合、将来的な子供の教育資金や老後資金を準備したくても、貯金や投資に回す余裕がない可能性が高いです。
毎月の給料で生活費はやりくりし、余裕資金としてボーナスが入ったら資産形成をしたい!と考えている人にとっては、精神的なストレスになりますし、将来的にお金で苦労する可能性がある点に注意が必要です。
ボーナスに関する不満への対処法4選
この記事を読んでいただいている方は、既にボーナスに不満を感じているケースが多いかと思います。
そんな不満を解消するために、今からでもできる対処法を4つご紹介します。
ボーナスの支給額の妥当性を検証する
ボーナスに不満を感じたら、はじめに自分のボーナスの支給額が本当に妥当なのかを確認してみましょう。
このとき、同じ業界・職種の競合企業と比較することが大切ですが、客観的なデータに基づいて判断するために口コミサイトを利用することをオススメします。
私たち夫婦も定期的に口コミサイトのデータと比較して、自分たちの立ち位置を確認しています!
また、あなたの持っているスキルと年収がマッチしているのか、現状分析することも重要なため、市場価値を診断してくれる転職アプリの活用なども有効な選択肢です。
自分の適性年収を把握することで、自分が取るべき行動がわかるようになるのでオススメです。
もし、自分のボーナスが平均よりも低いと感じたら、その理由を上司や人事に尋ねてみるのも一つの方法です。適切なフィードバックを得ることで、自分の立ち位置や今後の改善点が明確になるかもしれません。
ただし、次の3つのケースに該当する場合は、他の企業や業種への転職を検討した方が良いと言えます。
【転職を検討した方がよい3つのケース】
① 同じ業界・職種の競合企業もボーナスや給料が下落し続けている場合
・斜陽産業に属するなどの理由から、今後も改善する可能性が低いことが想定されるため
② 同じ業界・職種の競合企業と比べて、勤務先の業績が著しく悪く、今後も改善の見込みがない場合
・会社固有の問題で業績が悪化しており、個人では解決できない可能性が高いため
③ 同じ業界・職種の競合企業と比べて、勤務先の給与水準が明らかに低い場合
・勤務先の給与テーブルが低い可能性があり、成果を上げても昇給やボーナス増額が期待しにくいため
会社の業績へ貢献できるような成果を出す
職場の人間関係は良いし、将来的な会社の業績も悪くなさそう!という方は、まずは今の会社で自分の存在感を高めることが重要です。
企業の業績に直結するような成果を出すことで、次回のボーナスに期待できる可能性が高まります。また、昇給にもつながり、トータルの年収が上がることが期待されます。
例えば、売上を増やすための新しいアイデアを提案したり、効率化のプロジェクトをリードしたりすることで、上司や同僚にアピールすることができるため、まずは今の職場で何が求められているかを周囲にヒアリングしてみると良いかもしれません。
ただし、そもそも利益率が低くボーナスの増額や支給が期待できない業界・会社に勤めている場合は、できるだけ早く転職することをオススメします。
ボーナスが多い、またはボーナスが出る会社へ転職する
今の会社のボーナス制度に不満があるなら、思い切って転職を考えるのも一つの手です。
ボーナスを重視して転職する場合は、「企業規模が大きい会社」や「安定的に利益を生み出しやすく、景気動向の影響を受けにくい業種」など、ボーナスが高い傾向のある企業を目指しましょう!
転職活動はエネルギーが必要ですが、自分のキャリアアップのためにも、積極的に動いてみる価値はあります。
転職をはじめる際には、求人情報を集める必要がありますが、企業からスカウトをもらえる転職サイトも存在します。転職市場での自分の需要も分かるので、まずは登録してみてはいかがでしょうか?
副業や資産運用を始めてトータルの収入を増やす
最後に、会社からの収入以外に目を向けてみるのも一つです。副業や資産運用を始めることで、トータルの収入を増やすことができます。
最近では、在宅でできる副業や、小額から始められる資産運用の方法もたくさんあります。自分に合った方法で収入源を増やすことで、ボーナスが少なくても経済的な余裕を持つことができます。
ただし、副業をする場合には会社が禁止している場合もあるため、転職サイトで副業OKな会社を見つけて転職することも一つの選択肢と言えます。
リクナビNEXTでは、副業OKな会社の求人も検索することができますよ!他にも自己分析ツールなども利用できます!
すぐに転職した方が良い3つのサイン
ボーナスに関する不満への4つの対処法をお伝えしましたが、そもそもすぐに転職をした方がよい場合があります。それは、以下の3つのサインが確認されたときです。
【すぐに転職した方が良い3つのサイン】
① 告知なしでボーナスがなくなった場合
【理由】労働契約書などに賞与が支給される旨が記載しているにも関わらず、告知なくボーナスカットされた場合は違法の可能性が高く、社員を大切にする会社とは言えないため、すぐに転職した方が良いです
② 会社の業績が著しく悪い場合
【理由】最悪の場合、数年後に倒産するリスクがあります。年齢が若いほど転職の選択肢が多いため、会社に見切りをつけたら、すぐに転職活動をするのがベストです
③ 同僚の退職が続いている場合
【理由】同僚が退職すると、残った人達への業務負担が増加します。業務量が増えてもボーナスが大きく変わる可能性は低いです。辞めていった社員の仕事が降りかかる前に、なるはやで転職することをオススメします
私の旦那も会社の同僚の退職が続いて業務量が増える中、処遇が改善しなかったことから、転職した経験がありますが、当時はとても大変そうでした・・・
転職する場合には、転職エージェントを活用しよう!
ボーナスが少ない、または出ない企業からの転職を成功させるには、転職エージェントを活用しましょう!
転職エージェントは企業の採用担当者とのリレーションがあるため、求人票に書かれていないボーナスの支給状況や福利厚生、企業風土などに関する情報を持っている可能性が高いです。
また、あなたのスキルセットなどを踏まえて市場価値を把握し、適切な求人票を紹介してくれるため、使わない手はないでしょう。
私たち夫婦が転職する際には、必ず転職エージェントを活用していますよ!
まとめ:ボーナスに不満を感じたら、まずは転職をはじめるのがオススメ
少ないボーナスや、ボーナスカットなどでモチベーションが低下した時の対処法などをまとめてきました。
改めて、「ボーナスに関する不満の対処法4選」、「すぐに転職した方が良い3つのサイン」についてまとめると、
【ボーナスに関する不満の対処法4選】
・ボーナスの支給額の妥当性を検証する
・会社の業績へ貢献できるような成果を出す
・ボーナスが多い、またはボーナスが出る会社へ転職する
・副業や資産運用を始めてトータルの収入を増やす
【すぐに転職した方が良い3つのサイン】
・告知なしでボーナスがなくなった場合
・会社の業績が著しく悪い場合
・同僚の退職が続いている場合
ボーナスが少なかったり、出なかったりする背景には、何かしらの原因があります。
どうしてもボーナスが欲しいという方は、正しく現状分析をして、適切なボーナスが貰える会社へ転職するためにも、市場価値を診断してくれる転職アプリや、転職エージェントを活用して、まずは一歩踏み出すことをオススメします!